少子高齢化が進み、労働人口が減少する時代、今や「正社員だけ」で業務を回すのには限界があります。

実は、今までのように「正社員中心」の働き方を続けてしまうと、今後、さまざまなリスクがあると考えられています。

IoTやAI、最新の技術、コンプライアンス、法的知識、それらの複雑な問題は正社員だけの「気合と根性」で乗り切れるものでもありません。

 

変化の目まぐるしい現代で、なじみのない分野、不得意な仕事を、単価の高い正社員がやり切るのは、コスト面でどうしても問題があります。

また、ある業務の知識やスキルを特定の社員が抱えてしまう「属人化」の問題は、「休めない、異動できない、辞められない、引き継げない・・・。」というように会社と個人の両方にもリスクがあります。

 

「正社員」以外の人材を活用しよう!

現在、日本では、雇用者の4割を「非正規社員」が占めています。

派遣社員・契約社員・パートアルバイト・業務委託にフリーランス・・・。

 

慢性的な人手不足を解消し、事業を継続していくためには、「正社員」にこだわらず、色々な雇用形態、働き方を積極的に受け入れ、チームとして活躍していくことが求められます。

にもかかわらず、日本では、いまだに正社員と非正社員の間に、大きな賃金差があることが問題となっています。

(※時給換算した時に、約2倍の差があります!)

 

現代は、「多様化」が求められる時代です。

正社員と非正社員の待遇格差をなくし、「雇用形態などに関係なく、評価されるべき人が評価される職場づくり」を行うことで、優秀な人材の定着が可能になります!

 

「同一労働同一賃金」

「同一労働同一賃金」は、「働き方改革関連法」により、中小企業では2020年4月から適用されています。

それによって、正社員と非正社員との間の不合理な待遇差が禁止されることになります。

 

規則やルールを見直すためには、慎重に話し合いを設ける必要があります。

検討の結果、手当などを改善するには、原資など考慮しなければいけないことがたくさんあります。

 

ですので、まずは「同一労働同一賃金」がどのようなものなのかを知っておくことが大切です。

今回は、中小企業で取り組むための「同一労働同一賃金」の対応策と注意点をわかりやすく解説します(^^)

 

「同一労働同一賃金」のポイント!

「同一労働同一賃金」は、正社員と非正社員の不合理な待遇差を解消することにより、どのような雇用形態を選んでも、納得が得られる処遇が受けられ、多様な働き方を自由に選択できることを目指しています。

特に日本では、正社員と非正社員の賃金差が大きく、この実態を踏まえて導入された新しいルールになります。

 

「正社員」と「非正社員」の違いは?

まずは、「正社員と非正社員の違いは何なのか」ということを確認しておきましょう。

自社には、正社員以外にどのような種類の従業員(契約社員、パート社員、嘱託社員など)がいますか?

  • 正社員・・・いわゆる「正規型」の従業員、期間の定めのない労働契約を締結している、フルタイム勤務の労働者をいいます。(役員は除く)
  • 非正社員・・・「契約社員」「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「臨時社員」など、労働契約の期間に定めがあったり、1週間の所定労働時間が正社員などと比べて、短い従業員をいいます。

企業により、雇用形態の名称や働き方は様々ですので、まずは「労働契約期間の定めの有無」と「1週間の所定労働時間の長さ」の2つの観点から、正社員と非正社員を区別します。

 

ポイントは2つ!

企業内の正社員と非正社員を区別したら、それぞれの雇用形態について、「①仕事の内容と責任の範囲」、「②人事異動や転勤の範囲など」が異なっているかどうかを確認します。

それによって、正社員と非正社員との間の待遇差が、不合理であるかどうかの判断基準となります。

確認するポイントは、主に次の2つです。

①「仕事の内容と責任の範囲」・・・担当する仕事の内容はどのようなものがあるのか?責任の範囲はどの程度のものか?

②「人事異動や転勤の範囲など」・・・人事異動の可能性はあるのか?また、あるとしたらどの程度の範囲か?

  • ①と②が同じ場合→「非正社員ということを理由とした」差別的な取り扱いが禁止されます。

つまり、「①仕事の内容と責任の範囲」と「②人事異動や転勤の範囲など」が同じであれば、単に「パート・アルバイト・契約社員だから・・・」という理由で待遇に差をつけることは、不合理であるということになります。

  • ①あるいは②が異なる場合→①と②以外の、「③その他の事情」を考慮して、個々の状況に合わせて、そのつど検討することになります。
同じ取り扱いのもとで、きちんと説明できる形であれば、能力や経験などに応じて差がつくことは特に問題はありません。

このように、バランスの取れた待遇差であることが必要ですね。

 

どの待遇が含まれる?

「不合理な待遇差」とは、具体的にどの範囲の待遇を言うのでしょうか?

対象となる待遇の種類は、「基本給、手当、賞与」だけでなく「福利厚生・教育訓練・安全管理」とすべての待遇が含まれます。

 

まずは、自社での現状の把握を行い、正社員に支給されている賃金項目(各種手当や賞与、退職金など)のうち、正社員以外には支給されていなかったり、計算方法や支給額が異なる賃金項目があるかどうかを確認してみましょう。

賃金項目(各種手当や賞与、退職金など)ごとに、正社員とそれ以外の従業員の待遇差がある場合は、その待遇差を「合理的に説明できるかどうか?」を検証してみましょう。

検証した結果、合理的に説明できない場合は、「待遇差を解消する」ということを考えていく必要がありますね。

 

「同一労働同一賃金」の対応策と注意点

「非正社員」が求める場合は、「正社員」との間の待遇差の内容やその理由について、「客観的かつ具体的に」説明することが義務化されています。

ですので企業としても、きちんと説明できるように、具体的に定めておく必要があるのです。

 

罰則がないって本当?

実は、これに違反しても罰則はありません。

しかし、人手不足、人材確保・定着に不利となるだけでなく、非正規社員から損害賠償請求を受けるようなリスクがあるので、注意が必要です。

具体的には、不合理な格差分が請求されることになるため、判例から見て、1人平均100万円(10人だと1000万円)程度が予想されると言われています。

 

特に注意しておくべき3つの項目!

では、「特に違法」とされるものは、どのようなケースがあるのでしょうか?

待遇の合意性については、「ガイドラインと判例」を踏まえた検討が必要だと言われていますが、特に注意しておく必要のある項目は、おもに次の3つです。

  • 【皆勤手当】

よくあるのは、正社員には皆勤手当があるのに、非正社員には皆勤手当がないというパターンです。

皆勤手当の性質や目的が「出勤を確保する」ということであれば、正社員であっても非社員であっても必要性は変わらないため、不支給とすることは違法と判断されます。

  • 【通勤手当】

正社員には実費支給しているのに、非正社員には不支給あるいは上限があるというパターンです。

通勤手当の性質や目的が、「通勤にかかった費用を補填する」ということであれば、正社員であっても非社員であっても必要性は変わらないため、不支給とすることは違法と判断されます。

  • 【退職金】

正社員には退職金の支給があるのに、非正社員には不支給とされているケースです。

同額である必要はありませんが、過去の判例からの目安として、正社員の4分1程度は支払うべきだと言われていますね。

まずは、この3つを優先課題として取り組んでおきましょう。

 

具体的な対応策は?

いくつかの具体的な対応策を紹介します。

 

まずは、「①仕事内容や責任の範囲」の差と「②人事異動や転勤の範囲」の差を明確して、その待遇差を具体的に説明できるように整備します。

また、非正社員の中でも正社員と同様の仕事をしている人は、正社員に登用する方法を検討しましょう。

 

賃金項目(各種手当や賞与、退職金など)ごとに、正社員とそれ以外の従業員の待遇差がある場合で、その待遇差を「合理的に説明できない場合」は、「待遇差を解消する」ということを考えていく必要がありますね。

具体的には、諸手当の見直しや賃金規程の改定などの対応が必要です。

例えば、正社員と同じように「手当、賞与、退職金等」を非正社員にも支給することを検討する方法があります。

しかし、これには総人件費が上がるという問題があります。

 

一方で、正社員には支給されているが、非正社員には支給されていなかった手当や退職金などの廃止を検討する方法があります。

これには、正社員に対する不利益変更の問題があるため、経過措置(条件付き、数年間かけて徐々に下げるなど)の対応と本人との慎重な話し合いが必要です。

また、総人件費を変えることなく、手当を一律にして、その分、正社員の職能給を増額させることによって対応することも可能です。

 

まとめ

巷では、「正社員」はオワコンとか、「非正社員」の方が有利になるとか、人件費の問題はどうするとか、色々言われています。

ですが、実力に関係なく、勤続年数に伴って年々給料がアップしていくような「年功序列」の仕組みを続けていく方が高リスクです。

それらを見直し、「非正社員」でも実力のある人や組織に貢献する人は評価される仕組みを早くから作っていくべきなんですね。

そのために、「人事評価制度」は必須の課題となってきます。

 

多様化が求められる時代、正社員と非正社員の待遇格差をなくし、雇用形態などに関係なく、評価されるべき人が評価される職場づくりを行うことで、優秀な人材の定着が可能になります!

 

 

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