副業や兼業を希望する人は、年々増加傾向にあります。

 

その理由は様々ですが、

  • 自分が楽しんで出来る仕事もしてみたい、自己実現の追究
  • スキルアップのため、自分の持っている資格や技術を活かしたい
  • 収入源を一つに頼らないことで十分な収入や将来への安心を確保するため

といったようなことが主な理由です。

 

また、ひとことで副業・兼業といっても、正社員、パート・アルバイト、会社役員、起業による自営業主など雇用形態は様々ですね。

 

多くの企業の現状は?

では、多くの企業では、副業・兼業についてどのような取り扱いをしているのでしょうか?

 

実は、現在も多くの企業では、副業・兼業を認めていません。

なぜかというと、次のような主な理由があるようです。

  • 自社での業務がおろそかになってしまうのではないか不安
  • 情報漏洩のリスクがあるのでは?
  • 競業・利益相反になるのではないか
  • 長時間労働につながらないか
  • 副業・兼業に係る労務管理の取扱いのルールが分かりにくい

このようなリスクを考慮し、多くの企業では副業・兼業を認めていない場合が多く、その一方で、従業員側としては副業・兼業を希望している人が年々増えているのです。

では、実際に企業側が副業・兼業を認めるとなるとどのような影響があるのでしょうか?

 

副業・兼業を認めることでメリットがある?

実は、副業・兼業を認めることは、会社としてもメリットは大きいといえます。

 

副業・兼業を希望する人が年々増加傾向にあることや、「終身雇用を保証することが難しい」と言われる現代では、今までのように「いかに個人に忠誠を誓わせるか」という考え方ではなく、「個人個人の生き方を積極的に尊重」しながら会社の制度を作っていく必要があるからなんです。

【副業・兼業を認めることのメリット】

  • 社員が自社だけでは得られないような知識やスキルを獲得できるようになる(レベルアップ)
  • 社員の自律性・主体性を促すことが出来る(自己管理能力)
  • 優秀な人材の獲得、その流出の防止ができる(人材確保に有利)
  • 社外から新たな知識や情報を入れることが出来る(情報の多様化に対応)

このように企業側、従業員側、双方とっても様々なメリットがあります。

実際に、副業・兼業を制度として認めるにあたっては、考えられるリスクなども考慮しつつ、制度の運用をしていくことをオススメします!

副業や兼業を認めるにあたって気を付けることは?

実際に制度を運用するにあたって、労務管理上、気を付けることをまとめました。

 

①労働時間の通算

実は、労働時間は、会社などが異なる場合であっても通算してカウントしなければいけません。

例えば、社員が副業などで異なる会社の元で勤務し、それと通算した労働時間が法定労働時間を超える場合には、自社で発生した残業などについて、36協定の締結や割増賃金の支払いが必要になります。

なので、それにより残業などが発生する時は、延長させた各会社が法律上の義務を負うことになるなど、状況によって義務を負う会社が異なってきますので注意が必要です。

 

ただし、副業の内容が、個人事業主や委託契約・請負契約等、労働基準法上の管理監督者で労働基準法上の労働者でない者の場合があります。

その場合は、労働時間は通算されません。

 

どちらにしても、長時間労働により業務に支障がでないよう、社員からの申告により、副業先での勤務時間などをしっかり把握しておきましょう。

 

②健康管理

会社は、社員が副業・兼業をしているかにかかわらず、健康診断などを実施しなければいけません。

会社の規模に関係なく、社員を雇い入れた時、その後(1年に1回以上など)定期的に健康診断を実施しましょう。

 

健康診断は、すべての社員についてする必要はありませんが、

  • 1年以上雇用見込みのある者

かつ

  • 週所定労働時間が通常の社員と比べて4分の3以上である者

は対象となるので必ず実施しましょう。

 

健康管理については、働き過ぎに注意し、時間外・休日労働の免除や抑制等を行うなど、それぞれの会社において適切な対応ができるよう、社員との間で話し合うことが大切です。

 

③労災保険

万が一、業務災害などが発生し、労災保険を請求する場合には、どちらの方が適用されるのでしょうか?

会社は、社員が副業・兼業をしているかにかかわらず、社員を1人でも雇用していれば、労災保険の加入手続を行う必要があります。

つまり、一人について、副業先との両方で労災保険が適用されることになります。

 

業務災害などが発生した場合、従来は、実際に災害が発生した就業先の賃金分のみに基づいて給付基礎日額(保険給付の基礎となる日額)が決定されていました。

しかし、2020年9月1日より副業・兼業者の労災保険の取扱いが変更になりました。

これにより、全ての会社で支払われた賃金額を合算して給付額が決まることになりました。

このように、万が一に備えて、労災保険についても把握しておきましょう。

④雇用保険、社会保険

雇用保険については、社員を一人でも雇用する会社は、その業種、規模等を問わず、 適用(一部の個人経営を除く)となります。

社員が副業をしている場合、両方について雇用保険が適用対象になったとしても、主に賃金を受ける事業所についてのみの適用になります。

 

社会保険については、それぞれの事業所で被保険者となる要件を満たす場合は、それぞれで加入することになります。

その場合は、被保険者自身がいずれかの事業所の管轄の年金事務所などを選択し、保険料の決定を受けることになります。

 

⑤その他のリスク管理

従業員自身が上手に自己管理できていればいいですが、副業・兼業に専念しすぎて、本業に支障をきたす恐れがあります。

本来は、身体を休ませるためにある本業においての時間外や公休日も、副業や兼業に当て過ぎることによって、本業がおろそかになってしまうと本末転倒です。

 

このようなことから、企業側としては、就業規則などによって、副業・兼業についてのルールをしっかりと定めておくことが大切です。

例えば、副業・兼業を行おうとする場合は、事前に「許可制または届出制」などにより認めることとし、副業・兼業先の労働時間などを把握しておくことが大切です。

それが過重労働にならないかを定期的にチェックしておきましょう。

 

また、本業で得たノウハウや知識、情報などが外部へ漏洩するリスクも考慮し、対策をしておく必要があります。

たとえば、副業・兼業を認めている企業であっても、本業企業と同業・競合他社での副業はモラル的に好ましくないため、「同業種での副業・兼業は認めない」など定めている企業もあります。

また、情報漏洩に対する具体的な対策としては、入社前(退職後も含む)に「機密保持に関する誓約書」などを交わしておき、情報漏洩などがあった場合には懲戒に処すなど、罰則規定を設けておくことが有効です。

 

実際に、副業・兼業を認める上では、上記のように考えられるリスクと労務管理上の対策を十分把握した上で、制度の実施を検討してみましょう!

 

まとめ

従業員が副業・兼業を続けていくためには、1日24時間という限られた時間をどのように使うかというタイムマネジメントを追求する必要があり、自然と自己管理能力が高まります。

また、副業・兼業による新たな出会いややりがいなどの影響により、意識が高まり、より主体性のある従業員が育ちます。

副業・兼業を認めることによって、企業側にとっても確実に良い影響を与えてもらえるのではないでしょうか。

 

 

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