異常気象などの災害が起きたとき、「事業主として、どのような対応をするべきなのか・・・。」

悩むことってありますよね。

 

日本は、豊かな自然に恵まれている反面、自然災害を特に受けやすいと言われています。

 

地震、火山・・・

台風、豪雨・・・

水害、土砂災害・・・

 

このようなことをニュースで目にすることは日常茶飯事です。

 

会社は大丈夫だけど、「公共交通機関で通勤する従業員が運休で出社することが出来ない!」

または、

「道路が通行止めで、会社に出社することが出来ない!」

従業員をかかえていると、このような少々困ったことがあります。

 

そんな時、従業員に対して

①会社規模で休業日とするべきなのか?

②従業員を休ませて、休業手当を支払うべきなのか?

③年次有給休暇を消化させるべきなのか?

④欠勤扱いとして対応するべきなのか?

・・・・選択肢は、いろいろあると思います。

 

もちろん、異常気象や災害のレベルによって、状況は大きくかわりますが、「こういう時は、こう対応する!」というルールがある程度定まっていれば、急な災害時にでもスムーズに対応することができますよね。

 

災害が起こるたびに、いちいち対応に困ることがなくなります。

 

そこで、今回は、色々と悩みがちな、災害時の会社の対応について、「これさえ知っていれば間違いない!」というような労務管理のルールについてまとめてみました(^^)

 

是非、この機会にルール化しておくことをおススメします!

 

災害時に、「会社判断で休業する場合」の取り扱い

 

災害時に、「会社の判断で休業日とする場合」には、どのような取り扱いになるのでしょうか?

 

◎原則として、「会社判断で休業日とした場合」には、休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払う必要がある。

「会社の判断で休業日とした場合」には、原則として、「使用者の責めに帰すべき事由」つまり、「その原因が使用者側にある」と判断されるため、休業手当を支払う必要があります。

【労基法26条】

使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。

 

◆「使用者の責めに帰すべき事由」とは?

では、「使用者の責めに帰すべき事由」とは、具体的にどのようなことをいうのでしょうか?

 

「使用者の責めに帰すべき事由」とは、使用者の故意、過失、またはこれと同視するべきものより広く、使用者側に生じる経営・管理上の障害を含みます。

「使用者の責めに帰すべき事由」の例・・・

  • 災害により、会社や取引先などが直接的な被害を受けていないのにも関わらず、予防策として休業を命じる場合
  • 労働安全衛生法に基づく健康診断の結果によらず、会社が独自判断により対象の労働者に対して安全配慮として休業を命じる場合
  • 在宅勤務やリモートワークなど、代替手段による就労が可能であるにもかかわらず、休業を命じる場合(店舗営業やサービスなどの代替手段が困難な業務を除く)

 

◆休業手当(平均賃金の100分の60以上)とは?

原則的な平均賃金の計算方法は、次の通りです。

【 算定すべき事由の発生した日以前3カ月間の賃金総額 ÷ その3カ月間の総日数 】

「その期間の総日数(休日も含む総暦日数)」ですので、労働日数ではないことに注意しましょう。

 

次の期間は、「賃金総額と総日数」から除外します。

  1. 業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業した期間
  2. 産前産後の女性が法65条の規定により休業した期間
  3. 使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間
  4. 育児介護休業法による育児休業または介護休業をした期間
  5. 試みの試用期間

 

また、次の賃金は、「賃金総額のみ」から除外します。

  1. 臨時に支払われた賃金
  2. 3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(ボーナスなど)
  3. 通貨以外のもので支払われた賃金で一定範囲に属さないもの

 

さらに、その平均賃金の100分の60以上を休業手当として算定します。

休業日、1日ごとについて、算定した休業手当を支給します。

 

ただし、賃金(賃金の一部を含む)が日給、時給、出来高払制、その他請負制で支払れている場合は、労働日数が少ないと、平均賃金が不当に低くなることを避けるため、次の通り、最低保障額が定められています。

【 算定すべき事由の発生した日以前3カ月間の賃金総額 ÷ その3カ月間の労働日数 ✕ 100分60 】

 

賃金(賃金の一部を含む)が日給、時給、出来高払制、その他請負制で支払れている場合は、原則の計算方法とともに、最低保障額も同時に計算し、どちらか高い方を適用しましょう。

 

◎災害などによって、不可抗力により休業せざるを得ない場合は、賃金(休業手当を含む)を支払う必要はない。

「会社の判断で休業日とした場合」には、原則として、休業手当を支払う必要がありますが、それには例外があります。

 

それは、「使用者の責めに帰すべき事由」には、「不可抗力によるものは含まれない。」とされていることです。

 

つまり、会社の判断で休業したとしても、「不可抗力により休業せざるを得ない場合」には、賃金を含め、休業手当を支払う必要はありません。

その場合、従業員は休業日となり、その日については無給となってしまいますが、原則として、その休業となった原因が会社の責任でない場合には、賃金を支払う義務はないのです。

 

ただし、「不可抗力によるもの」には、次の2つの要件をクリアしている場合に限られます。

不可抗力によるものと判断できる①と②の条件が必要・・・

①事業の外部にある原因により発生した事故であること

②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること

 

まだちょっとわかりづらいので、具体的には次のような例があります。

不可抗力により休業する場合の例・・・

  • 災害などによって、事業場の施設や設備が直接的な被害を受けた場合(停電や破壊)
  • 災害などによって、取引先や鉄道・道路が被害を受け、原材料の仕入れ、製品の納入等が不可能となった場合

 

逆に言えば、災害などによって、事業場の施設や設備が被害を受けたり、取引先などが被害を受け仕入れなどができない場合であっても、すべてが不可抗力によるものと判断できるわけではなく、

①取引先への依存の程度

②輸送経路の状況

③他の代替え手段の可能性

④災害発生からの期間

⑤休業回避のための具体的努力など

これらのことを、総合的に勘案して、判断をする必要があります。

 

災害時等に、「会社判断で休業としない場合」の取り扱い

災害時であっても、会社や取引先などが直接的な被害を受けていない場合は、会社判断で休業日としないことができます。

会社や取引先などが直接的な被害を受けていないのだから、通常通り業務を行うことが出来ます。

 

しかし、公共交通機関で通勤している従業員や、マイカー通勤の従業員については、災害の影響により、電車やバスの運休や道路の通行止めなどになり、物理的に会社へ出社できないという事態が発生することがあります。

 

そこで、「会社の判断で休業日としない場合」に、従業員が災害の影響により出社することが出来ない場合は、どのような取り扱いになるのでしょうか?

 

◎災害などにより、公共交通機関が運休になる等の理由で従業員が会社に出社できない場合であっても、ノーワークノーペイの原則により、賃金を支払う必要はない。

意外に思われるかもしれませんが、このような場合には、賃金を含め、休業手当を支払う必要はありません。

 

会社は、通常通り稼働しており、従業員が働ける環境を確保している以上は、従業員が出社できない場合、それに対して会社が補償をする義務はないのです。

従業員が物理的に出社できないことに対して、会社に責任はありませんが、もちろん従業員自身にも責任はありません。

 

ですので、この場合の会社の対応としては、次のようなポイントがあります。

災害時に会社判断で、休業日としない場合のポイント

  • 従業員自身の判断で、通勤時の安全に配慮しつつ、出社の有無や通勤方法を判断すること
  • 欠勤した場合は、無給になるということ(ただし懲戒処分等のペナルティーはない)
  • 年次有給休暇のある従業員は、自由に利用することができること

このような対応により、会社として安全配慮をしつつ、災害時でも出社した従業員との不公平感をなくすことが出来ます。

 

まとめ

いかがでしたか?

 

異常気象や災害のレベルによって、状況は大きくかわりますが、

「こういう時は、こう対応する!」

というルールがある程度定まっていれば、急な災害時にでもスムーズに対応することができます。

 

災害が起こるたびに、いちいち対応に困ることがなくなります。

 

また、「災害時の会社の対応について」は、社内通知文として、あらかじめ全従業員へ周知しておくと、緊急時にスムーズな対応ができます。

 

是非、この機会にルール化しておくことをおススメします!

 

 

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