従業員の姓が変わった、住所が変わった、扶養する家族が増えた/減った、等ライフイベントにより従業員情報が変更された場合は、雇用時に手続きした内容を変更する届出などが必要になります。
今回は、従業員情報の各種変更手続きについて説明していきます。
目次
氏名・住所が変わったとき
健康保険・厚生年金の手続き
結婚や離婚などで名字が変わった、引越などで住所が変わったときはどのような手続きが必要でしょうか。
協会けんぽに加入している事業所の場合、マイナンバーと基礎年金番号が紐づいていれば、健康保険と厚生年金の氏名および住所変更の手続きは必要ありません。
従業員自身が市役所等で氏名変更や住所変更の届出をすると、自動的に手続きがおこなわれ、新しい健康保険証が事業主宛に送られてきます。
新しい健康保険証が届き次第、速やかに旧情報が記載されている健康保険証を回収し、年金事務所へ郵送しましょう。
※ただし、被扶養者の氏名変更や健康保険組合加入事業所の変更手続きは必要になります。
例えば子供の姓が変わったなど、被扶養者の氏名変更があった場合、協会けんぽに加入している事業所は「被扶養者異動届」を提出しましょう。
マイナンバーと基礎年金番号が紐づいているかを確認する方法
マイナンバーと基礎年金番号が紐づいているかを確認するには、ねんきんネット(リンクあり)または年金事務所に照会します。
紐づいていない場合、「被保険者氏名変更(訂正)届」または「被保険者住所変更届」を年金事務所へ提出します。
雇用保険の手続き
マイナンバー制度の導入により、雇用保険は氏名変更単独の手続きは不要になりました。
資格喪失届や育児休業給付金の支給申請などの手続きをおこなう際に、あわせて氏名変更をおこなってください。
なお、雇用保険では被保険者の住所は管理していないため、住所変更の手続きは不要です。
雇用保険資格喪失手続きの際に氏名変更もおこなう場合
被保険者氏名欄に「旧氏名」を記載し、新氏名欄に「新氏名」を記載して申請します。
扶養する家族が増えたとき
結婚、子どもの誕生、老親の扶養などで被扶養者が増えたときは年金事務所や健康保険組合への手続きが必要です。
協会けんぽに加入している事業所の場合、事実が発生してから5日以内に「健康保険被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)」を年金事務所に提出します。
健康保険組合に加入している事業所の場合、健康保険組合に「被扶養者(異動)届」を提出します。
被扶養者認定の手続きに必要な書類
健康保険の被扶養者になるためには、被扶養者の認定を受ける必要があります。
以下のように、手続きの際に被扶養者の認定要件を満たしていることを証明する書類を提出することになります。
|
被保険者と被扶養者の同居の有無や家族関係によって必要書類が変わるため、早めに事実確認をして必要な書類を調べておきましょう。
扶養する家族が減ったとき
子供が就職した/結婚した、専業主婦(夫)だった配偶者が就職し年収130万円(勤務先によっては106万円)以上の見込みになる、配偶者と離婚した、家族が死亡した、家族が75歳になり後期高齢者になった、家族が雇用保険を受給した等が起きたときは、どのような手続きが必要になるでしょうか。
これらのケースは、事実が発生してから5日以内に「健康保険被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)」に健康保険証を添付して年金事務所または健康保険組合に提出し、被扶養者削除の手続きをおこないます。
扶養から外れる事由は、主に以下のケースになります。
扶養から外れるケース
|
保険証や年金手帳を紛失したときの対応方法
1.雇用保険被保険者証を紛失したとき
雇用保険被保険者証は、被保険者が雇用保険に加入した際に発行されますが、加入手続きをした会社が保管し、退職時に本人に渡すケースが多いと思います。
付与された被保険者番号は、失業保険給付を受給する際に必要となりますし、転職しても引き継がれるため、紛失したときは再発行の手続きが必要となります。
事業主が手続きをおこなうときは、「雇用保険関係各種届出等再作成・再交付申請書」をハローワークに提出しましょう。
2.健康保険証や年金手帳を紛失したとき
(1) 健康保険被保険者証を紛失したとき
健康保険被保険者証を紛失した時は、事業主が再交付の手続きをおこないます。
「健康保険被保険者証再交付申請書」または「高齢受給者証再交付申請書」を、協会けんぽもしくは健康保険組合に送付することで、新たに健康保険証が事業主宛に交付されます。
(2) 年金手帳を紛失したとき
年金手帳を紛失した時は、事業主から年金事務所へ再交付の手続きをおこないます。
「年金手帳再交付申請書」に必要事項を記入し、事業所を管轄する年金事務所に提出すると、新たな年金手帳が事業主宛に送られてきます。
年金手帳や基礎年金番号が複数あると従業員が申し出たとき
年金手帳に記載されている基礎年金番号は、現在は1人につき1つと定められています。
しかし、以前は国民年金と厚生年金の番号が別だったため、現在でも完全に番号の統一がされておらず、複数の基礎年金番号や被保険者番号を持っている人がいます。
しかし、複数の番号があっても原則年金は1つの番号のものしか受け取れないため、年金加入記録の統合手続きをおこない、番号を統一する必要があります。
複数の年金手帳を持っている場合は、年金手帳の番号が同じかどうか確認しましょう。
番号が異なる場合は、年金加入記録が複数に分かれている可能性があります。従業員から申告があった場合、年金事務所へすべての年金手帳を持参し、番号統一の手続きをおこなうよう案内しましょう。
2022年3月まで使用されていた年金手帳は青色の表紙のものです。以前は国民年金・厚生年金共通のオレンジの年金手帳をお持ちだった方もいると思います。
しかし、年金手帳は2022年4月に廃止されました。
年金記録を照会したいときは、年金事務所宛に「年金記録照会申出書」を提出します。
もし修正する内容が事前にお分かりの場合は、修正内容を分かる範囲で記入しておくことをおすすめします。
その他、雇用保険の被保険者番号も1人1つと定められているので、年金同様、番号の統一手続きが必要になります。
まとめ
ケース | 雇用保険 | 健康保険・厚生年金 | 申請期限 |
氏名変更、住所変更 | 不要 | 不要 ※被扶養者の氏名変更や健康保険組合加入事業所の変更手続きは必要 |
ー |
扶養する家族が増えた | 不要 | 健康保険被扶養者(異動)届、国民年金第3号被保険者関係届を年金事務所に提出 | 事実が発生してから5日以内 |
扶養する家族が減った | 不要 | 健康保険被扶養者(異動)届、国民年金第3号被保険者関係届に健康保険証を添付して年金事務所または健康保険組合に提出 | 事実が発生してから5日以内 |
保険証/年金手帳を紛失した | 不要 | 健康保険被保険者証再交付申請書(高齢受給者証再交付申請書)/年金手帳再交付申請書を、協会けんぽまたは健康保険組合に送付 | ー |
年金手帳や基礎年金番号が複数ある | 不要 | 従業員へ、年金事務所へすべての年金手帳を持参し、番号統一の手続きをおこなうよう案内 | ー |
メールフォームでのお問い合わせ
助成金の資料請求・その他のお問い合わせは、以下のフォームよりお願いいたします。
お問い合わせに際して
メールフォームからお問い合わせいただいた際は入力された連絡先に折り返しご連絡いたします。
内容に誤りがあるとこちらからご連絡できかねますので、入力内容に誤りのないようお気をつけください。
お電話でのお問い合わせ
メールアドレスをお持ちでない方は、下記電話番号までお電話ください。(セールスはご遠慮ください)
TEL.(0823)27-4944電話受付時間:月~金 8:30~16:30 / 定休日 土・日・祝
※対応地区:日本全国