令和7年度から「キャリアアップ助成金」の内容が一部変更となりました!

今回は、「キャリアアップ助成金」の令和7年度の変更点や申請のポイントについて解説します。

 

「キャリアアップ助成金」とは?

 そもそも、「キャリアアップ助成金」とは、どのようなものなのでしょうか?

 

「キャリアアップ助成金」は、有期契約社員やパート社員、派遣社員などのいわゆる非正規社員の企業内でのキャリアアップを促進するために、対象社員を正社員にしたり、処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して支給するものです。

 

労働者の意欲向上、能力向上を図り、優秀な人材確保への取り組みのために、活用している企業は多いようです。

 

「キャリアアップ助成金」は、以下のような複数のコースがありますが、ここでは多く取り扱われている「正社員コース」に絞って解説を行います。

 

支給対象となる企業は?

 「キャリアアップ助成金」の対象となり得る企業は、次の通りです。

  1. 雇用保険適用事業所の事業主
  2. 雇用保険適用事業所ごとに「キャリアアップ管理者」をおいている事業主
  3. 雇用保険適用事業所ごとに「キャリアアップ計画書」を作成し、管轄労働局長へ届け出ている事業主
  4. 対象労働者の労働条件、勤務状況、賃金支払状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにすることが出来る事業主
  5. 「キャリアアップ計画期間」内に、キャリアアップに取り組んだ事業主

厚生労働省管轄の雇用関係の助成金は、雇用保険料を財源にしているため、助成金の支給対象となる企業は「雇用保険の適用事業所」である必要があります。

つまり、一人でも雇用保険の適用対象となる従業員を雇用している事業主が対象となり得るということですね。

 

支給申請までの大まかな流れは後述しますが、正社員への転換をする前に、「キャリアアップ管理者」や「キャリアアップ計画期間」などが記載された「キャリアアップ計画書」を作成し、管轄労働局に届け出ておく必要があります。

【キャリアアップ管理者とは?】

 「キャリアアップ管理者」とは、有期雇用労働者等のキャリアアップに取り組む者として、必要な知識および経験を有していると認められる者をいいます。

実務的には、事業主自身や会社役員などが「キャリアアップ管理者」になることが多いようです。

「キャリアアップ管理者」を決めたら、「キャリアアップ計画書」へその旨を記載しておきましょう。

 

【キャリアアップ計画期間とは?】

 「キャリアアップ計画書」には、有期雇用労働者等のキャリアアップに向けた取り組みを計画的に進めるため、今後のおおまかな取り組みイメージ(対象者、目標、期間、目標を達成するために事業主が行う取り組み)をあらかじめ記載するものです。

「キャリアアップ計画期間」とは、その計画書で定めた「目標を達成するために実施することが出来る期間」のことで、通常は5年以内で定めておきます。

 

(4.)の条件の通り、対象労働者のキャリアアップに当たって、雇用契約書や出勤簿、賃金台帳などにより、その労働条件や勤怠状況、賃金支払状況等を客観的に証明できるようにしておくことも重要ですね。

支給申請の流れは?

 「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」を申請し受給するための大まかな流れは、次の通りです。

  1. 「キャリアアップ計画書」を作成し、管轄労働局長へ届け出る
  2. 就業規則等へ「正社員への転換制度」を規定する
  3. 6か月以上雇用する有期契約社員等の正社員転換を実施する(+3%以上の賃金アップ)
  4. 正社員への転換後、6カ月の賃金支払いをする
  5. 支給申請をする(取組後6か月の賃金を支払った日の翌日から2カ月以内)
  6. 助成金の入金

まずは、事前に「キャリアアップ計画書」を作成し、管轄労働局長へ届出をしておきます。

「キャリアアップ計画書」の届出のタイミングは、正社員転換日の前日までにすれば足りますが、労働局の受付を確認するのに時間がかかる場合があるため、少なくとも「正社員転換日の1カ月以上前」など、余裕をもって提出しましょう。

 

同時に、現行の就業規則に「正社員への転換制度」がない場合は、必要に応じて条文を追加し、労働基準監督署への届出を行っておきましょう。

(※従業員が10人以上の場合、労働基準監督署への届出が必要です)

 

「キャリアアップ計画書」の届出と、就業規則への「正社員転換制度」の規定をしたら、6か月以上雇用する有期契約社員等の正社員転換を実施します。

この時に、3%以上の賃金アップも同時に行います。

(※3%アップの対象となる賃金は、基本給や固定で支給する諸手当のみです。時間外割増賃金や通勤手当、住宅手当、精勤手当等は対象になりません。)

 

正社員への転換後、6か月以上雇用継続したら、時間外割増賃金等も含めて、すべての賃金が支払われていることを確認しておきましょう。

正社員転換後、6か月の賃金を支払った日の翌日から2カ月以内に、助成金の申請をします。

 

申請期限を過ぎてしまうと、助成金の受給ができないので、しっかりとスケジュール管理をしておきましょう。

 

上記の1~6までの流れで実施しますので、実際に助成金の申請をすることが出来る時期は、「キャリアアップ対象となる従業員が入社してから、早くても1年以上たってから」ということになりますね。

令和7年度の変更点は?

 「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」は、令和7年度から変更点があります。

印象としては、より厳格化されたというイメージですね。

 

変更点.支給対象者の範囲と助成額の変更

 「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」は、有期契約社員やパート社員等を正社員等へ転換した場合に、支給対象となります。

どの雇用形態から正社員へ転換するのかによっても、支給額は異なります。

例えば、「①有期契約社員から正社員へ転換するパターン」、「②無期契約社員(パート社員等)から正社員へ転換するパターン」と、2つの種類が存在しています。

①であれば、「1期目の申請→40万円」、「2期目の申請→40万円」で、合わせて80万円の助成となります。

②であれば、半額になるので、「1期目の申請→20万円」、「2期目の申請→20万円」で、合わせて40万円の助成です。

ちなみに、「1期目の申請は、正社員転換後6カ月後」、「2期目の申請は、正社員転換後12カ月後」にそれぞれ申請します。

 

4月から変更になる部分は、「正社員へ転換する対象者がいずれの区分に該当するか」によって、2期目まで申請できるか否かが変わることになります!

具体的には、次のいずれか該当する対象者のみ2期目までの申請ができることになりました。

(つまり、次のいずれにも該当しない対象者については、1期目までの申請となります)

1.雇入れから3年以上の有期雇用労働者

2.雇入れから3年未満で、次の①②いずれにも該当する有期雇用労働者

  ①過去5年間に正規雇用労働者であった期間が1年以下

  ②過去1年間に正規雇用労働者として雇用されていない

3.派遣労働者、母子家庭の母等、人材開発支援助成金の特定の訓練修了者

 

令和7年度からは、正社員へ転換する対象者が、いずれの区分に該当するかをあらかじめ確認しておきましょう!

  (厚生労働省,2025,LL070311No.3を引用)

 

まとめ

いかがでしたか?

 

イメージとしては、支給要件がかなり厳格化されたように感じますし、より正社員化を支援すべき対象者の範囲が狭まった印象があります。

 

以上、令和7年度から変更となる「キャリアアップ助成金」のポイントでした!

 

現時点できちんと対応をしていない企業は、かなり不支給が出てくる可能性が高いです。

 

今回の改正に対応できるよう、是非、今からでも準備を進めていきましょう(^^)

 

 

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