ハローワークなどを通して従業員を雇用するともらえる助成金があることをご存じでしょうか?

 たくさんの種類がある助成金の中で、今回ご紹介する助成金は、「新規雇用・採用に関する助成金」です。

 すべての事業主と従業員が対象となるわけではなく、助成金の対象となるためにはいくつかの条件があります。

 今回は、この「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」について解説をしていきます。

 

「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」の目的

  特定求職者(高年齢者、障害者、母子家庭の母などの就職困難者)を雇用する事業主をサポートするため設けられた助成金です。

 特定求職者雇用開発助成金には、(特定就職困難者コース)と(生涯現役コース)があります。

 今回は、(特定就職困難者コース)について説明していきます。

 

「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」の概要

 高年齢者、障害者、母子家庭の母などの就職困難者を、ハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成金が支給されます。

 

「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」の支給額

 支給額は、正社員などのフルタイム労働者とパートアルバイトなどの短時間労働者に分かれ、支払われた賃金の一部に相当する額として、下表の金額が、支給対象期(6か月)ごとに支給されます。

中小企業の場合の支給額

【フルタイム労働者】

対象労働者

支給額

助成対象期間

支給対象期ごとの支給額

高年齢者(60歳以上65歳未満)、

母子家庭の母等

60万円

1年

30万円 × 2期

身体・知的障害者

120万円

2年

30万円 × 4期

重度障害者等(重度障害者、45歳以上の障害者、精神障害者)

240万円

3年

40万円 × 6期

 

【短時間労働者】(1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者)

対象労働者

支給額

助成対象期間

支給対象期ごとの支給額

高年齢者(60歳以上65歳未満)、

母子家庭の母等

40万円

1年

20万円 × 2期

障害者

80万円

2年

20万円 × 4期

 

主な対象事業主

 主な対象事業主は、以下の条件の通りです。

  • 雇用保険の適用事業主であること
  • 対象労働者をハローワーク等の紹介により、雇用保険の一般被保険者として雇い入れる事業主であること
  • 対象労働者を雇用保険の一般被保険者として継続して雇用すること(対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上(短時間労働者以外の重度障害者等を雇い入れる場合にあっては3年以上)であることをいう)が確実であると認められる事業主であること
  • 対象労働者の雇入れ日の前後6か月間(以下「基準期間」という)に事業主の都合による従業員の解雇(勧奨退職を含む)をしていないこと
  • 対象労働者の出勤状況および賃金の支払い状況等を明らかにする書類(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿など)を整備・保管し、助成金の支給または不支給の決定に係る審査に協力する事業主であること

 

対象労働者

 対象労働者は雇入れ日現在の満年齢が65歳未満で、主に下表に該当する者になります。

  • 60歳以上の者
  • 身体障害者
  • 知的障害者
  • 精神障害者
  • 母子家庭の母等
  • 父子家庭の父(児童扶養手当を受給している方に限る)
  • ウクライナ避難民 

※65歳以上の方を雇用する場合は、生涯現役コースを受給できる可能性があります。

 

主な受給条件

  • 新たにハローワーク等の紹介により対象労働者を雇入れること
  • 職業紹介を受けた日に失業などの状態にある者(ただし、重度障害者、45歳以上の障害者、精神障害者を一週間の所定労働時間が30時間以上で雇い入れた場合は対象になります。)
  • 助成金の支給決定まで対象労働者が離職していないこと(対象労働者の責めに帰すべき理由による解雇などを除く)
  • 雇入れ日の前日から過去3年間に、当該雇入れに係る事業所において、通算して3か月を超えて訓練・実習等を受講等していないこと
  • 雇入れ日の前日から過去3年間に、対象労働者と雇用、請負、委任の関係にないこと
     ほか、対象労働者が企業側と密接な利害関係にないこと、事業所の代表者・取締役の3親等以内の親族にないことなどがあります。

 

支給申請の流れ

 

最後に

 本助成金は、フルタイム労働者だけでなく、パートタイム労働者にも適用されることから、新たに雇入れを考えている事業主にとってメリットの大きいものです。

 就職困難者とされる方々は労働意欲の高い方も多く、60歳以上の方なら幅広い経験値が、1人親なら特に強い責任感が、障害者なら秀でた個性・能力で、御社で活躍できる人材となるかもしれません。

 対象になる場合がありましたら、ぜひ本助成金を活用してみてください。

 また、当社でも助成金の無料診断を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 ※このブログでご紹介している助成金の情報は、令和4年9月26日時点で公開されている情報を元に当社にて作成しています。実際に申請をされる際は、必ず厚生労働省のホームページや最寄りのハローワークにて詳細をご確認ください。

 

 

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