前回では、求める人物像を明確にし、欲しい人材のイメージができたと思います。

 次は、その求める人物像に近い人たちに向けて自社をアピールすることを明確にしていきます。

 いくら求人を出しても応募がなかったり、人手不足で困ったことはありませんか?

 世間は大量の求人募集であふれています。その中から自分の会社に目をとめてもらうに、今回は、欲しい人材に向けて伝わる求人票にするための自社の魅力を見つける方法について説明していきます。

 

自社の魅力を洗い出す必要性

 多くの企業は応募者に自社の思いを伝えることをせず、応募者から様々な情報を引き出して選考していきます。一方で、応募者自身が企業の深い情報を得る機会はほとんどありません。

 応募者が自社の深い情報を知らずに入社してしまうと、入社後に「入社前に思っていたのと何か違う」と違和感を感じて早期離職してしまう可能性があります。せっかく採用した人材にすぐに離職されるのは、会社にとっても本人にとっても不幸なことです。

 そのためにも、自社の魅力を伝え、理解・共感してもらった応募者に入社してもらうことが必要なのです。

 

応募者に響く自社の魅力とは

 応募者が自力で得ることの難しい企業理念や価値観の中に自社ならではの魅力が隠れています企業はそれを応募者に開示し、伝える努力をすることで、自社への興味関心が高くなります

 自社の魅力は、理念や価値観をそのまま言葉にするだけでは、応募者にはなかなか伝わりません。そのため、伝わりやすい言葉などに置き換えて、強みとして伝えていく必要があります。

 

企業理念を明確にする理由

 企業理念とは事業の目的をいいます。

 事業戦略は状況に応じて変わる可能性がありますが、企業理念は基本的に変わらないはずです。なぜ企業が存続しているのか(存続させたいのか)―。理念は会社を運営していくための指針であり考え方の基礎です。

 「今」の戦略に必要な要素のみをアピールして採用したら、情勢が変わり仕事内容が変わってしまえばミスマッチのもとになりかねません。

 理念に基づき自社の魅力をアピールし、共感した人材から欲しい人材を採用していくことで、入社後のミスマッチを防ぐことができるのです。

 

企業理念を明確にする方法

 理念を細分化すると、「ビジョン(目指す未来)」「ミッション(使命)」「価値」「行動指針」に分けられます。

 ビジョンとは、顧客とともに目指す未来のことです。顧客に見られたい姿を決めてもいいでしょう。

 ミッションと、企業がやるべき社会的な意味を持った使命のことです。「なぜそれをやるのか」という使命は企業の原動力となります。

 価値とは、企業がもたらす価値(の約束)のことです。

 行動指針とは、上記3つを基にした行動指針をいいます。

 これらすべてを用意しておく必要はありませんが、ビジョンと行動指針は策定し従業員に浸透させておくと、みなが同じ方向を向き生産性を高める基礎となるでしょう。

 

自社の魅力の見つけ方

 自社の強みを見つけるポイントは、現場の視点にあります。

 効率的なやり方は、従業員を集めてワークショップがいいでしょう。とにかく多くの意見を出したうえで集約していく方法があります。従業員に対してアンケートを取るのも有効です。

 目的は、自分が入社したい!と思えることを見つけることです。

 その際、管理する側と現場にいる側では意見が異なる可能性があるため、意見の相違を踏まえて集約していくことが大切です。外部の企業に入ってもらい第三者からの意見を盛り込むとさらに精度が上がるのでおすすめです

 なぜなら、社内の人間だけでは、「当たり前すぎて強みや魅力に気づきにくい」ものだからです。外部の目で自社の魅力を発見してもらうのは非常に効果的です。

 

こんなことが「自社の魅力」になります。 

 自社の魅力は何?と聞かれてすぐに答えられない人も多いかもしれません。

 下記のような制度やしくみがあれば、それは大きな魅力になります。考えてみましょう。

(例)会社の魅力となりえるポイント

給与・待遇

給与額だけでなく、住宅手当など各種手当があれば魅力になりえます。

仕事内容

社員にかかる責任度合い、仕事の裁量権がどの程度あるか

 →責任が軽い仕事なら、「プライベートを充実できる」「ストレスが少ない」魅力になります。

転勤の有無、出向の有無 

 ※転勤があるからいい・悪いではなく、転勤があることで「様々な仕事に携われスキルアップできる」、転勤がないことで「1つの分野を極められる」などそれぞれの利点があります。

教育・育成

研修制度、資格取得支援、OJT制度(制度化されていなくても先輩社員のサポートがあれば魅力になりえます)

有給休暇

有給休暇が消化しやすい、有休の積立制度を利用しまとまった休みを取りやすい

昇給・昇格

昇格していく目安があればモデルケースを出してみましょう。

福利厚生

社会保険完備、育児や介護休暇制度があれば働きやすい職場とPRできます。

昼食代補助、スポーツクラブ利用補助、アニバーサリー休暇、ウォーターサーバー設置など他の会社であまりないものを取り入れていれば魅力になりえます。

残業

残業時間が少ない、残業した分は残業手当がちゃんと出ることも評価されます。

職場の立地

駅から徒歩圏内、車通勤者のための無料駐車場完備など

職場の雰囲気

アットホームで和気あいあいとした職場、先輩社員からのサポート(指導)あり

社内行事、上司と定期的な面談、幹部との対話会、

育休取得者が多い、平均勤続年数、若い社員が多い、ベテラン社員が多く仕事を丁寧に教えてくれる

その他

入社後の成長イメージがわくようなキャリアパスがあればモデルケースを出してみましょう。

イメージがわきにくい募集職種の場合は、1日(1週間、1か月)のスケジュールを出してみるのもいいでしょう。

 

求める人物像とすり合わせ、アピール項目を整理する。

 自社の強みや魅力が明確になったら、前回のブログでお伝えした、明確にした「求める人材の人物像」(リンク)が興味を持つと思われる自社の魅力を整理していきます。

 それらを、募集する仕事内容や事業内容、会社の特徴など求人票に掲載する項目に落とし込んでいくのです。

 

他社と差がつく!求人票の記載ポイント

 求人票の記載内容次第で応募者数が大きく変わります。

 求める人材の目に留まり、自社に興味を持ってもらうためには、求人票の記載内容に工夫が必要です。

仕事内容は具体的に・やりがいを感じられるように記載しましょう

 例えば営業職を募集する場合、「取引先への訪問営業」だけではイメージしづらいですよね。

 より具体的な仕事内容を記載することで、応募者は募集している仕事内容を理解することができます。

 加えて、仕事内容に関する自社の魅力を記載し、やりがいはどんなところにあるかを伝えられれば、応募者は具体的に働くイメージがわき、興味を持ってもらえる可能性が高まります。

 また、「入社後に研修で業務に必要なスキルを身に着けていただきます」「はじめは先輩社員のサポートについていただき、仕事を覚えたら1人で担当していただきます」など、入社後業務に就く前に何かしらのサポートがあれば具体的に記載することで、応募者の不安が解消されるでしょう。

 

自由に記述できる欄は積極的に活用しましょう

 求人票にある会社の特徴欄や求人に関する特記事項欄など、企業が自由に書ける欄は積極的に活用しましょう。

 自社の独自性を伝えることで、自社に興味を持ってもらえる可能性がグンと上がります。

 

会社の特徴欄は具体的に記載する

 会社の特徴は、主な業務内容だけを記載してはなかなか理解してもらえないかもしれません。

 自社の雰囲気や仕事内容などがイメージできるよう、具体的に、働いているイメージがわくような記載を工夫しましょう。

 企業理念やビジョンも掲載してください。理念やビジョンは重要な入社動機になりえます。そして、これらに共感した人が応募することで、入社後のミスマッチの確率が大きく減ります。

 上記で洗い出した、求める人物像が興味をひきそうな自社の魅力も記載していきましょう。

 

応募者が興味をひくキーワードを載せましょう

 応募者が興味をひくキーワードを散りばめることで、応募者が検索した時に自社の情報が目に留まりやすくなります。

 例えば、「未経験歓迎」「テレワーク制度あり」「オンライン面接可」「残業なし」「土日祝休み」「退職金制度あり」など、実際に自社でおこなっているものがあれば積極的に記載し周知しましょう。

 

求人に関する特記事項欄で自社の魅力を目一杯伝えましょう

 特記事項欄は会社の独自性がはっきり出ます。空白にせず、自社の魅力を伝えきって応募者に「この会社で働きたい!」と思ってもらいましょう!

 ここには、求人票の項目に書ききれなかった賃金や勤務時間に関する補足や福利厚生があれば漏れなく記載します。

 育休や介護休職取得者がいれば実績を、いなくても制度があれば両立できる環境をアピールすることもできます。子供が急病でも休みが取りやすい、研修制度が充実、会社の費用でオンライン研修に参加できるなど、上記で書ききれなかった「求める人物像が興味をひきそうな自社の魅力」を書けるだけ書きましょう。

 入社してほしい人へ伝えたいメッセージがあれば記載するのもいいですね。

 

まとめ

 求める人材が自社に興味を持ってもらうためには、自社の魅力を伝え、理解・共感してもらうことが必要です。

 そして、自社を理解し共感してもらった応募者に入社してもらうことで、長く活躍してもらえ、今いる従業員にもよい影響を及ぼし生産性を上げることが見込めるのです。

 そのためにも、時間を取って自社の魅力や強みを知る作業をおこなうことをおすすめします。

 自社を客観視し、従業員としっかり向き合うことで、事業運営にも好影響を与え、さらなる事業発展のヒントを見つけることもできるかもしれません。

 自社だけで取り組むことが難しいときは、当社が採用に関するサポートをおこないますのでぜひお問い合わせください。

 

 次回はいよいよ求人の募集方法(リンク)について、お伝えしていきます。

 

(採用に関するこれまでの記事)

(欲しい人材を明確にする方法)採用のコツシリーズ②

(採用の手順)採用のコツシリーズ①

 

 

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