前回のブログまでで、欲しい人材の人物像を決め応募者が魅力と感じる自社の強みを洗い出しました。

 これからいよいよ求人募集をし、選考していきます。

 

採用活動の一連の流れ

 採用活動は大きく分けて、「広報活動」「選考」「内定者フォロー」の3ステップに分けられます。

 これらは単体の施策ではなく、一貫したコンセプトのもとにおこなうことが求められます。

 例えば、「(自社の強み)をさらに強化するために、(求める人物像)を採用し、(業務を効率化させ、生産性を●%上げる)」など、コンセプトを決め、それに沿った広報活動や選考をおこなうのです。

 

求人の募集方法

1.広報活動をおこなう

 広報活動の基本は、ホームページ、会社案内(パンフレット)、会社説明会などが挙げられます。

 ここでは、理念や価値観をしっかり伝えることが求められます。

 ただし、広告媒体によって受けての心理が異なります。媒体の特性を活かして情報量をコントロールするといいでしょう。

 例えば、ホームページは「ちょっと興味がある程度」で見るため、広く浅く

 会社案内(パンフレット)は、会社説明会で配布されたり、資料請求された時に送付することが多いことから、より詳しい情報が必要です。

 どちらにしても、理念や価値観をベースにし、戦略ビジョンや事業優位性、仕事内容を丁寧に記載することが大切です。

 

質の高い人材を集めるための効果的な広報活動とは

 質の高い人材とは、理念への共感度が高い人材と言えます。いくら学歴やスキルが高くても、自社の理念に共感していなければ、内定辞退が増加し、入社しても結果的にミスマッチになりかねません。

 学歴やスキルの高い人材を探せばいいのではなく、自社の理念を理解し共感してくれる人を集めることが、効果的な広報活動といえるのです。

 

(参考)広報活動における最近のトレンド

 広報活動でも近年人気なのは動画です。動画は多くの情報量を提供できるため、自社の魅力をアピールするのに最適なツールの1つと言えます。

 多いのは、社長や社員のインタビュー映像です。採用活動では伝えきれない生の声を動画で配信することで、その会社の理念や価値観に共感してもらえる可能性が高まります。

 ホームページに社員紹介などのスペースを設け、視聴者の心に響くメッセージを掲載することで、自社に興味を持ってもらえる可能性が上がります。もちろん、採用コンセプトに沿った動画であることが大切です。

 

2.求人媒体を活用する

 求人媒体とは、企業の求人情報を掲載し、就職希望者からの応募を集める媒体を言います。民間企業が運営するものと、ハローワークなどの公共機関が運営するものがあります。

 代表的な求人媒体は、ハローワーク、求人サイト(転職サイト)、紙媒体(求人情報誌や新聞折込チラシ等)、人材紹介会社などがあります。

① ハローワークを活用する

 ハローワークは地域での採用に効果的で、事業主なら誰でも無料で求人を出せるようになっています。ハローワークは無料で利用できるのでコストが抑えられますが、求人票の作成や応募者対応などをすべて自社で行う必要があり、選考に関する事務作業など内部コストがかかります。

 また、ハローワーク経由で採用することでもらえる助成金もあるので、ぜひ利用するといいでしょう。

 一方で、無料掲載できることから登録されている求人数も多いことから、自社の求人情報が埋もれてしまい見つけてもらえない可能性があります。

 そのため、求人を出す際はハローワーク+他媒体を利用することをおすすめします。

 

② 求人サイト(転職サイト)を活用する

 求人サイトはインターネット上に企業の求人情報を掲載し、全国から応募を集める求人媒体です。インディードやリクナビなど、聞いたことがあるという方も多いでしょう。

 誰でも閲覧できるため、転職潜在層を含む幅広い人材からの応募が期待できます

 また、求人の検索軸が豊富なため、就職希望者は希望条件に合った求人を見つけやすく、企業側は潜在的に採用用件に合った転職希望者に向けて求人を訴求できる効果があります

 ただし、掲載料の課金体系が複数あるため、掲載課金か応募者数による課金か採用時に課金か等事前に確認しておく必要があります。

 

③ 紙媒体(求人情報誌・新聞広告等)を活用する

 紙媒体には、駅やコンビニなどにフリーペーパーとして置かれている求人情報誌や、新聞に折り込まれる求人広告チラシ、新聞紙面に掲載できる求人広告枠などがあります。

 紙媒体の求人広告は地域ごとに発行されるため、地域を限定した採用に向いています

 また、紙媒体には一覧性があるため、転職希望者が偶然目にして応募につながる可能性があるため、応募者層を広げたいときに有効です。

 しかし、広告と同様、応募者の有無にかからわず掲載料がかかること、求人サイトと異なり掲載スペースに制限があること、発行後に求人情報の修正がきかないことに注意する必要があります。

 

④ 人材紹介会社を活用する 

 人材紹介は「人材を採用したい企業」と「仕事を探している人」をマッチングさせるサービスで、企業が求めている求職者の選出と選考、スケジュールの調整など、雇用契約を交わすまでのサポートを行います。

 人材紹介会社には、企業と求職者をつなぐ一般登録型/一般紹介型、企業側が必要とする人材を指定し、仲介業者が適切な人材を探し出すサーチ型、倒産やリストラなどで雇用できなくなった多くの社員を再就職につなげる再就職支援型に分かれています。

 企業は雇用契約が成立した時に紹介手数料を支払うため、採用にかかる作業を軽減することができます。

 一方で、自社には採用に関するノウハウが蓄積されないというデメリットがあります。

 

⑤ 紹介予定派遣を利用する

 正社員として採用すれば容易に解雇することはできません。入社後一定期間、業務の習得状況を確認したい、すぐにでも自社の業務に合う人材がほしい、自社で一連の採用活動をして良い人材を見つける自信がないなど、専門家に人材選びをお任せしたい場合は、人材派遣会社から紹介予定派遣を利用する方法もあります。

 紹介予定派遣とは、派遣先の企業に直接雇用されることを前提とし、派遣期間中に直接雇用の契約を結ぶかどうかを企業と派遣社員がそれぞれ検討し、双方の合意が得られた場合はそのまま直接雇用するというものです。つまり、派遣期間が試用期間となるわけです。

 

⑥ リファラル採用を導入する 

 リファラル採用とは、自社の従業員から友人や知人などを紹介してもらう手法を言います。リファラル(referral)は、「推薦」や「紹介」という意味があり、人手不足が叫ばれる現在注目を浴びつつある手法です。企業によって候補者との会食費用を支給したり、採用決定時に報酬を支給しているようです。また、最近ではSNSやwebのリファラル採用専用プラットフォームをサービスとして提供している会社があるので、社員数が多い会社などは利用するのもいいでしょう。

 自社をよく理解した従業員の紹介なので、マッチング率・定着率が高く、採用は自社でおこなうため採用コストも抑えることができます。

 一方で、採用後知人同士がグループ化してしまったり、不採用となった場合の気まずさや紹介者の退職に伴い紹介された側も退職を検討するなどの人間関係や採用後の人員配置に配慮が必要です。

 

⑦ 自社HPに求人情報ページを設ける 

 自社でホームページを作成している場合、採用専用ページを設け応募の窓口を増やす方法もあります。

 採用ページがあることで応募者に安心感を与えることができますし、求人媒体に掲載しきれない自社の情報を掲載することで、より自社への理解を深める効果もあります。また、SNSと連携しHPへ応募を誘導することができるため、より自社へ興味を持った人材の応募も見込めます。

 自社で求人を集めるため採用コストも抑えられ、サイトを更新するだけで求人募集を始められることから採用スピードも向上します。

 長期的に運用することで資産にもなりえる一方、自社で手配するため手間がかかります。

 

⑧ 学校に直接求人を出す

 新卒者の採用を検討している場合は、専門学校や大学などの就職課に直接求人を出すことで、専門性の高い人材の獲得が期待できます。

 就職活動中の学生は就職サイトと併用して学生課の求人票をよく見ているため、就職サイトでは求人情報は埋もれがちですが、学校の就職課に求人票を掲示してもらうことで視認性が上がり、応募数の向上も見込めます。

 ただし、年中受付しているわけではないこと(2~5月に求人票を受け付ける学校がほとんど)、学校ごとに指定の求人票が異なることから、採用したい学校をある程度絞って求人を出すのがいいでしょう。

 学内で開催される企業説明会に参加するのもおすすめです。学生に直接自社のPRができ、質疑応答の場などで学生と接点を持つと応募してくれる率も上がります。

 

まとめ

 上記で紹介した求人媒体を一覧にしたので、求人媒体の特性に合わせて、自社に合ったサービスを組み合わせて利用するといいでしょう。

 ハローワークと他媒体を併用するのがおすすめです。

 

 

最後に

 広報活動において大切なことは、欲しい人材に向けて彼らに響く情報を届けることです。理念や価値観をベースにし、戦略ビジョンや事業優位性、仕事内容を丁寧に記載し、自社の魅力をアピールすることが求められます。

 また、求人媒体を活用する際は、各媒体の特性を把握し、欲しい人材が応募してくれる可能性の高い媒体を利用し費用対効果の高い採用活動につなげましょう。

 次はいよいよ具体的な選考方法について、次回は書類選考、適性検査について(リンク)の説明をしていく予定です。

 

(採用に関するこれまでの記事)

(応募者が集まる求人票の書き方)採用のコツ③-2

(欲しい人材へ自社をPRする方法)採用のコツ③

(欲しい人材を明確にする方法)採用のコツシリーズ②

(採用の手順)採用のコツシリーズ①

 

 

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